工藤順一著 『文書術』
本書の著者である工藤順一さんは、自ら国語の作文教室を開き、
長年子ども達に文章を書くことを指導されてきた方です。
きっと、学校で使う教科書という狭い枠に捉われず、
一人一人の子ども達の実態に応じたたくさんの手だてをお持ちだろうと
期待しながら読んでいきました。
【生きる=コミュニケーションのために学ぶ】
本書には、すぐにでも使ってみたくなる「宝探し作文」「コボちゃん作文」や
「考えるための12の道具」といった具体的な実践方法が書かれています。
ところが、意外にも私の心に残ったのは上記の実践方法よりも、
「文章を書く意味」「なぜ、学ぶのか?」について述べられている部分でした。
これらの問いに対する答えだと私が思った箇所を、
少し長くなりますが引用させていただきます。
(P12~13)
「~私は日本の政治に関しては、無責任なとこや談義のようなことは書いたり話せたりするかもしれませんが、「書き言葉」を使って現代日本の政治を客観視した上で、分析したり、意見を述べることはできません。
それはなぜかというと、日本の政治について、基準となる見取り図とか地図にあたる共通理解の前提になる全体像を勉強不足のために描けず、自分の言葉を客観視しながら使用できないのです。
このことはある重要な示唆を私達に与えてくれます。
それは、なぜ勉強しなければならないか、そして毎日、コミュニケーションしなければならないかについての答えです。「読み書き」の訓練は、「書き言葉」という客観性・全体像・あるいは普遍性への不断の参加のためなのです。」
私の解釈はこうです。
「なぜ、学ぶのか?」
それは、できるだけ多くの人々と共通理解の土台を築くため。
「なぜ、書き言葉で読み書きをするのか?」
それは、状況が常に変化する中、相手にわかりやすく伝えるため。
こうして書きながらも、自分の理解が試されているようです。
偶然、このブログを読んだ方に、私が理解したものが果たして伝わっているのか?
そんなことを約2年間ブログを書きながら感じてきました。
子ども達が学ぶのも、大人が学ぶのも同じことです。
自分の感じたことを、できるだけ正確に相手に伝えたい。
その相手は時と場合によって様々であるから、
できるだけ多くの人と共通理解が図れるように 学び続けるしかない。
その学んだことが本当に自分の腹に落ちたのかどうかを試したり、
書く作業を通して理解を確かめたり深めたりするために私は書いているのだ、
ということがわかりました。
これからも自分が学んだんだことを、子ども達の学びに活かせるように、
理解したことを偽りなく書き続けていきたいと思います。
次のような著書もあります。
人生を手帳に〜モレスキンノート
以前のブログでも書いたように、私とモレスキンノートのおつき合いは結構長いのです。
今も売れに売れている『モレスキン「伝説のノート」活用術』
の存在は大きく、この本によって私のモレスキン活用は
180度変わりました。
著者の掘さんがおっしゃる「人生を手帳に」という考えた方に
深く感銘を受けました。
また、ユビキタスキャプチャーによって、
得られるであろう今までにない効果を体験するために、
日々、実験中です。
ですから私のモレスキン活用は、ほぼ『モレ本』をもとに行っています。
何を学ぶにしても大切なのは「真似ること」=「学ぶこと」、
「守・離・破」をたどることです。
【活用の3ステップ】
本書P80の「活用の3ステップ」は、図を使って一連の流れがわかるようになっています。
STEP1 ユビキタスキャプチャー
STEP2 毎日レビュー
STEP3 週次レビュー
●STEP1 ユビキタスキャプチャー
できれば、本書にかかれているレベルまで記録したい気持ちはあるのですが、
時間的制約からここまでのことは難しいです。
まず、このモレスキンノートを職場で持ち歩くことはありません。
もし、万が一落としてしまったら!考えただけでも恐ろしい!
私の個人情報が流出してしまいます。
ですから平日は、私の仕事バッグの中でお留守番をしています。
休日は大活躍です。
どこにでかけるにもすぐに取り出して、ユビキタスキャプチャーしています。
●STEP2 毎日レビュー
本書にはP82に次の様に書かれています。
「このステップのためには、少なくとも毎日15分の「モレスキンノート時間」を割り当てましょう。」
毎日この時間を確保するのがやっとですが、初めてこういったことをやってみて、
次の様な効果を少しずつ体験しています。
・問題意識を継続させることができるようになった。
・ブログのネタが広がった。
・自分の好みの再認識。
この時、私がほぼ毎日書いてしまう「教育」「学び方」「ライフハック」は、
索引のページに頁数をすぐに書くようにしています。
●STEP3 週次レビュー
ここが私の課題です。
時間を確保するのが難しい。
だからといってあまり無理をすると、義務感が
出てきて継続することそのものができなくなってしまいます。
できる範囲で、休日に前のページを
「ペラペラとめくるくらいでいいや~」
くらいの気楽な気持ちで続けていきたいと思います。
【私の工夫】
いくつかの手帳術、ノート術の本を読んだ中で、
私が実践していることをあげておきます。
・日付を書く。
・やりたい、行きたい、見たい、食べたいetcをかく。
・買い物をして付いてきたタグやショップカード等を貼る。
・Someday、Maybeリストを眺めモチベーションをあげること。
1週間をユビキタスキャプチャーし、TO DOをリストアップすること。
・日々、仕事に関係するような記事、ブログの記事を収集し、記録する。
・検索頁をかくと同時に、教育に関することがかかれた頁にテープを貼る。
・朝、晩それぞれ5分から15分程度、かく時間を確保する。
ただ漠然とノートに向かってもつらつらと際限なくかいてしまうので、
予めかく内容を決めておく。
・マインドマップをフル稼働させる。(情報整理、アイデア出しにはバツグン!)
●私がモレスキンノートの活用で、参考にしているブログ記事
Lifehacking.jp
Find meaning of my life
前回の「ほぼ日カズン」「ほぼ日手帳」、そして今回の「モレスキンノート」
以上3冊が2010年の私を支えてくれたノート&手帳達です。
それ以外にも実は数冊持ち歩いているノートがあります。
それはモレスキンノートの種類の中に厚さが薄いものがあります。
(スモールサイズ)
1冊はスケジュール帳として、もう一冊は落書き帳として使っています。
出掛けるときに、荷物が重たくなるのを避けるために
小さいサイズを持ち歩いています。
とても重宝しています。
これで2010年のノート&手帳の使い方をふりかえる事ができました。
これらを踏まえて、何とか来月12月中には2011年のノート&手帳について決定していきたいと思います。
現在進行形!私のノート術・手帳術?!
私は今頃になって、やっと自分の「好きなこと」がわかってきたらしいのです。
「何でこんなに頻繁に文房具売り場にきているのかな?」
「何で1年の間にいいなあと思う手帳やノートが定期的に出てくるのかな?」
デザインはスッキリとスマートに。
肝心なのは中身。
ペンであれば書き味や持ち心地。
手帳は佇まい。紙質、色等。
まあ、それなりにこだわりがあるようです。
つまり好きなのです。
本屋と文房具とカフェは、私が最も落ち着く場所です。
【悩み】
いくら最も落ち着く場所だと言っても、
そんなにしょっちゅう文房具や本を買っていては、
家計が破たんします。
それ程多くはないのですが、これだ!と思ったものはお財布が許せば手に入れます。
ですから私は、これまで1年を通じて同じ手帳を使い続けたことがないのです。
仕事は別です。
新しい年度に入る4月に揃えた手帳を使い続けます。
しかし、プライベートは別です。
2010年は2回変わりました。
ああ~何ともったいない!
2011年こそ、1年間を通じて1冊の手帳を使ってみたい!
2011年は、かくことで今までに味わったことのない感覚を感じてみたい。
そんな贅沢な思いが叶えられるように、
今の使い方を見つめて、自分がノートや手帳に何を求めているのかを探っていきたいと思います。
いつもより少し長めの文章になるので、何回かに分けてお伝えしていきます。
【現在使用中】
●ほぼ日カズン
仕事用に使っています。
スケジュール管理、TO DO管理、授業のアイデアなどをかくなど、
これ1冊で行っています。
まず、文房具屋で手に入れたハンコを、1ページの中心に押します。
時間帯ごとにブランチをかき、メインブランチには授業クラスや教科をかき入れます。
その先には、目標や流れをザックリかきます。
必要に応じて、ニーモシネのノートを使って、その授業だけのマインドマップをかくこともあります。
(こんな感じでブランチを伸ばします。)
空いているスペースには、その日のTO DOをかきます。
これもやはりマインドマップを使っています。
かく時間は、その日の退勤時間にかきだします。
それを朝の通勤する車の中で、もう一度見直します。
私の通勤時間は、渋滞すると小一時間かかってしまいます。
その時間に、ずっと仕事のことをだけを考えていると、
精神衛生上良くないことが過去経験済みなので、
この見直しの時間はできるだけ短くしています。
「ここの交差点までに切り上げる」
と目標物を決めてかくようにしています。
この作業は、1日の仕事をヌケモレなく行うために欠かすことができません。
しかし、学校という所は突発的な出来事だらけで成り立っているような所です。
計画通りにいかないことの方が多いのです。
だからこそ、自分を見失わないためにも、
羅針盤の様な役割を果たしてくれるこの手帳と時間が、
なくてはならない存在なのです。
●なぜほぼ日カズン?
まず大きさ。
大きすぎず、小さすぎず、持ち運びに便利なちょうど良い大きさです。
ほぼ日の売りである「パタンと見開くことができる」こと。
紙質は、かしこまって使う程カッチリしたものではなく、
毎日ガシガシ使うのに遠慮のないくらいの薄さと丈夫さであること。
これらが、今日も仕事で一日一緒に過ごし、
私の一部となっているほぼ日カズンを使うワケです。
一つオマケ。
私はカズンにカバーをつけています。
初めは汚れを防ぐためのカバーでした。
随分たってから気づいたのですが、
カバーの表紙側にポケットがついています。
私はそこに、常に授業で使うために持ち運ぶ、
タイマーとそこに入る大きさの教具を入れています。
ここに入れるようになってから、うっかり忘れが随分減ったりタイミングよく
教具を取り出したりすることができるようになりました。
●ほぼ日普通サイズ
これはプライベート用です。
この手帳には、仕事を更にレベルアップさせたり私個人を成長させたりするための
スケジュールを書いています。
こんな風にかくとすんごくカッコいいのですが、
決してそんなスマートなものではないのです。
先日、私が愛読しているブログ『Find the meaning of my life』(Kazumotoさん)の記事で、
深く納得したことがありました。抜粋させていただきます。
「人の能力は学んで伸びるというよりも、
学ぶことでなんとか維持できていると考えた方がよいではないかと思っています。~」
私はこの文章をEVERNOTEに投げ込み、「大人の学び」とタイトルをつけました。
子どもは日々新しいことの連続で、学ぶことで成長していくのでしょう。
しかし、大人は違います。
仕事をしていく上で、自分が意識的に新しいものを取り入れていかなくても、
何となく仕事をこなすことはできるでしょう。
以前の私は、日々こなすべき仕事を目の前に、それをやっつけるのに精一杯で
新しいものなど目に入りませんでした。
別に本を読んで気づいたのではありません。
私の中の一部が、「この状態は変だ!」と騒ぎ始めたのです。
まさにKazumotoさんが指摘されるように、学ぶことをやめた人は、
能力が落ちていくのです。
そんな教師に魅力はありません。
いえ、私が楽しくないのです。
新しいことを知ること、既存の知識が何かと結びあって深まることの面白さ。
それを計画するための手帳が「ほぼ日」なのです。
●悩み
この1年間、「ほぼ日」を使って気づいたことは、
週間で見通せないことでした。
1日1ページなので、文字の大きさも気にせずガシガシかけるのは嬉しいのですが、
やはりプライベートも見通したいという気持ちは捨てられません。
このあたりが、私の「2011年に使う手帳選び」のポイントになりそうです。
次回は、プライベートで使っている「モレスキンノート」についてまとめたいと思います。
「情報ダイエット仕事術」堀正岳著
私は本書の著者堀正岳さんのファンです。
ブログhttp://lifehacking.jp/も欠かさず読んでます。
今も売れに売れている『モレスキン伝説のノート活用術』は、
以前このブログでも感想をかかせていただきました。
ブログや著書に書かれている内容は、
ライフハックについての多岐に渡る事柄が取り上げられていますが、
根底を流れる思いは、
「自分の人生を精一杯生かしきりたい」
そんな情熱的で繊細な思いが伝わってきます。
本書は、溢れる情報を脂肪に例えると、
その脂肪を落としていく方法と、
落とした体重をいかに維持していくのか、
その仕組みについて書かれていると思いました。
【絞る】
私はここを読んで実際に一つに絞った習慣があります。
それは、「1日1回は文章を書く」ということです。
別に私は、小説家やライター、エディターになりたいワケでも、
アルファブロガーになる野望をもっているワケでもありません。
ただ、文章を書くことが好きだということと、
もし、できるなら同じ志向性をもつ人達と出会いたいからです。
堀さんは言います。
1具体的で、可能な行動でなくてはいけない
2数にこだわる
3持続することで効果を発揮させる
この条件を満たした「一つの習慣」を、
持続させれば効果が得られると信頼することが大切だそうです。
では、私が絞った「一つの習慣」は、本当にこれでいいのでしょうか。
それには、「目標」をブレイクダウンで把握し、
「行動」をボトムアップで管理するのだそうです。
ブレイクダウン式
「ブレイクダウンは目標を理解しやすくする一方で、
いま取り組むべき「行動」がみえにくくなる」
これはマインドマップでミッションをかいたときに
感じたことです。
「こうありたい、こうなって欲しい」というイメージを
もち、ブレイクダウンしながらブランチを伸ばしていきます。
最終的には
「今、何をしたらいいのか?」
という行動レベルにもっていくのですが、
その行動が果たして本当に描いたイメージにつながっていくのか?という不安がありました。
まあ、これはマインドマップだから起きた不安ではなく、
私がもっと細かく中目標、小目標というように
考えてマインドマップを作成していけばいいのだということです。
ちょっと横道にそれましたが、
堀さんは、ブレイクダウン式だけで目標を理解せずに、
ボトムアップ式で数ある行動から目標の実現に合ったトレーニングを1つ選べばいいと言っています。
【選択肢】
年度始めの学級開きで、子ども達にゴールに辿り着く方法は複数ある、
ということを、こんな話をしながら伝えます。
「山の頂上に登るには、いろいろな登山道があります。
クネクネ道、一直線道、休み休み道~など、それぞれの道に良さがある。
途中で見える景色も違う。だから、一つがダメだからと言って、
山を登ることそのものをあきらめないで、他の道をチャレンジしてみましょう。」
子どもにはこんなことを言っているクセに、
自分自身のことになるとつい「やるか?やらないか?」
の話になってしまいます。
例えば、「走ること」。
雨が続くと、「走れないから仕方ない」と、体を動かすこと全てを止めてしまうという、
極端でバランスが悪く、結局長続きしないことにもなりかねません。
そこで、前述の
「ボトムアップ式で数ある行動から目標の実現に合ったトレーニング」
の選択肢の中から選びつつ、ゴールを目指していけばいいことを
堀さんは勧めてくれます。
この方がその日の気分で、
「今日は元気だから長く走ろう」
「今日は疲れがたまっているから、ベランダでラジオ体操をしよう」
と微々たる前進でも、「0」にはならないメリットがあると思いました。
【記録】
モレスキンファンの私としては、どうしてもここの部分に目がいってしまいます。
私のモレスキン歴は、かれこれ5年以上になりますが、
やはり、「モレスキン伝説のノート術」の影響は大きく、
「ユビキタスキャプチャー」らしきことを続けているのは、
「モレスキン伝説~」のおかげです。
モレスキンノートを使っていても、所謂普通のノートと同じ使い方をしていた私は、
読書記録や日記などを書いていました。
当時の使い方は、「見返す」ことなど意識がなく、
その場で書いておしまい!「気分はスッキリ」という程度ものでした。
「モレスキン伝説~」と本書から、やはり記録し続けた先の景色を
見てみたい!という気持ちが強まりました。
例えば、朝から晩までの自分が目にした出来事を記録したり
自分にとって気になる情報をストックしたりすることで
見えてくる新しい自分や周囲の見え方が今とどのように違ってくるのかが
楽しみです。
以前は、自分というフィルターを通しているのだから、
記憶に残らないものは自分にとって必要のないこと~
などとおごっているところもありました。
でも、今は違います。
もしかしたら、記憶に自信がなくなった~とも言えなくないのですが、
やはり「かく」ことの可能性は広がります。
きっと、年齢を重ねたり今という瞬間を愛しく感じたりする
気持ちが強くなったのでしょう。
また、「かく」という行為の可能性を、
マインドマップを通して再認識したことも理由の一つでしょう。
この辺りの気づきも、ブログを通して発信していきたいと思います。