2010年8月31日火曜日

できることならリアルに味わいたい!「白熱教室」ハーバード大学 マイケル・サンデル教授

「白熱教室」
ハーバード大学 マイケル・サンデル教授

 8月26日のNHKの朝のニュースを見て、私は久しぶりに悔しさを味わいました。
 以前から興味はもちつつも、YouTube等も特に検索せず、
 最近、書店で『これからの「正義」の話をしようが山積みになって気になりつつも、




























































友人からの「ちょっと難しいかな~」という一言を鵜呑みにして、
目次さえも見ていなかった自分の腰の重さがを悔しく思いました。

 その日の朝日新聞にも、「東大でも「白熱教室」サンデル教授来日」と記事が掲載されていました。

 【何となくは、やっぱり正しい】

 別に私は、今年の春にNHKで放送されていた、サンデル教授の人気の講義を視聴したわけではありません。
 なのに〜なぜか!なぜか!何となく気になっていたのです。



 記事には、特別講義が行われた25日、東大本郷キャンパスには東大生約300人の他に、
10倍の応募から選ばれた一般枠の500人も参加したとあった。

 え~っ!一般人も参加できたの!?いつそんな募集があったの?

 予備知識が全くないのになぜか気になる講義~
 私は早速YouTubeで検索しました。

 そこには、朝のニュースよりも詳しく特集が組まれた番組や、
サンデル教授とのインタビューが出ている番組がありました。

 東大で行われた講義のある部分が放送されていましたが、
 私はサンデル教授と学生や一般人とのやりとりに、
 「これだよ~!こういう話しがしたいんだよ!」
 とワクワクしてくるのが自分でも感じられました。

 質問された方も脳をフル回転させて答える、
 それに対して考えを揺さぶる問を更に投げかける教授。

 周りの人々もそのやりとりと共に、自分の考えを深めていく、
 その結果、今まで気付かなかった答えや更なる疑問に突き当たる面白さ。

 私が「何となく惹かれる~」直感はズバリ当たっていたのでした。

 【『これからの「教育」の話をしよう』】

 なぜこの番組がここまで人気が出たのでしょう。
 2300円もする書籍が売れているのでしょう。

 揺さぶられ自分の思考が更に深まることの面白さに、
 気付いている日本人がたくさんいるということではないでしょうか

 私もその一人です。

 もし叶うなら、サンデル教授と「これからの「教育」の話」がしてみたい。

 きっと同じように考えているのは私だけではないはずです。


 【教育に活かす!】

 ●サンデル教授の場を包み込む雰囲気

 ●次々に切り返す「問」の鋭さ

 ●ユーモアセンス

 ハーバード大学史上最多の履修者を誇る名講義を行う方から学ぶというのもおこがましいですが、
まあ、できる所からTEFCASです。

 iTune Uでサンデル教授の本場での講義が見れます!聞けます!学べます!


http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1008/25/news090.html


私はiPhoneとiPadの両方に同期させました。
 英語には全く自信はありませんが、
 雰囲気ぐらいは味わう事ができるので、同じように感じている方にはぜひオススメです!




2010年8月27日金曜日

だれがやる気を起こさせるのか? 加藤秀俊著 『独学のすすめ』

誰がやる気を起こさせるのか?!
【教師の役割】


本書は1974年から、雑誌『ミセス』に連載され、
その後文庫化されたものを、更に2009年に復刊したものだそうです。
結論は、いつも小学校の子ども達と一緒にいる私からすると、
「お~、大胆だな~。ここまで割り切ってしまえればいいけれど~」
と、少し躊躇される思いが残ります。






著者の加藤さんは、教師の役割を次のように言い切っています。
「教師の役割は、やる気のある学生を伸ばすことだ」
「やる気の無い学生をどんなに指導しても何もならない」
私の中でこの言い切りに、半分納得して半分ブレーキがかかってしまうのは、
おそらく加藤さんと私が接している対象が違うからだと思います。
私の教師としてのミッションの中に、
「子ども達にやる気と自信をもたせるようにする」
があります。
小学校段階では、周囲の環境によって子ども達自身の「自己肯定感」が影響を受けます。
しかし、どんなに周囲が「やる気をもて!自信をもて!」と叫んでも、
最終的にその気をもつかどうかは本人次第なのです。
本書を読む事で、やる気のある学生を伸ばすのが大学教師の役割なら、
「やる気と自信」の芽、子ども自身がそのエネルギーを回して行く事ができるようになる芽を育てるのが小学校教師の役割なのかなと、考えを明らかにすることができました。
ここ数年の教育の世界、子育ての世界には、
「やる気をもたせるのが教師や親の役目」
という何とも責任重大な役割を背負わされているような気配があります。
確かにその通りでしょう。
でも、それだけなのでしょうか?
加藤さんからのメッセージ、「日本人よ!独学せよ!」を
読む事で、
「あのとき、こんな先生に教わっていたら人生違ったんじゃ」
という、プチ他力本願の思考に喝を入れる事ができます。
【学ぶ心と意欲】
私は、P19の次の文章を読んで、「学校って何だろう?」と改めて考えてしまいました。
「~学問をするためには、学校に行かなければならない、というのはひとつの常識である。
~なるほど、学校というのは、いろんなことを勉強するのに便利なようにできあがっている。
先生たちがいるし、教室がある。図書館もあるし、学力をためすためのテストもある。
しかし、学校というのは勉強のための場のひとつであるにすぎない。
ほんとうに勉強しようとする人間は、「独学」でちゃんとやってゆける。」
さらに次のように強烈に続きます。
「~じっさい、考えようによっては、学校というものは、「独学」では勉強することのできない人たちを収容する場所なのだ、といえないこともあるまい。~学校は、いわば脱落者救済施設のようなもので、独学で立ってゆけるだけのつよい精神をもっている人間は、ほんとうは学校に行かなくたって、ちゃんとやってゆけるものなのである。~」
じゃあ、学校なんていらないの?
と、いうと決してそうではないと私は言い切る事ができるのですが、ここから私たちが学ぶべきことは、
学校で学ぼうが独学で学ぼうが、
「教えて~、やる気を起こさせて~」
とツバメのひなのように口をあけて受け身で待っているのではなく、自分で自分の学びのエンジンをかけていくことが最低限のマナーなのではないではないか?ということです。
現在は、この本が書かれた1974年以上に「独学」をいつでもどこでも行う環境が整っています。
例えばe-ラーニングのようにネットで授業を受ける事ができたり、
iTunesのポッドキャストやiTunes Uで国内は勿論、海外の大学の講義を無料で映像とともに観たり聞いたりすることができるのです。
環境は整っています。
あとは私たち人間の「やる気」だけのようです。

2010年8月21日土曜日

アラフォー世代以降の勉強法!小宮一慶著『ビジネスマンのための「勉強力」養成講座』 

子どもの頃は嫌でたまらなかった「勉強」が、今になってこんなにおもしろくなるなんて!
それもそのはず!大人になってからの勉強を著者小宮さんは、「~仕事上で「なれる最高の自分になる」ための勉強」(P5)と言っています。
また、勉強し頭を良くする事を次の例をあげて説明されています。
「頭が良くなるというのは、クルマのエンジンの性能が良くなること、つまり、排気量が増え、エネルギー効率が良くなることです。排気量は2000ccのまま、無理して速く走り続けようとしても、4000ccのクルマには結局かないません。そして、いくら良いエンジンをもっていても、正しい道を速く走らない限り、正しい目的地には着きません。~」(P7)


本書は、書店にあまた並ぶ「勉強本」の一冊です。
私もこれまで数冊の「勉強本」を読んできましたが、それらとは少し雰囲気の違った、
アラフォー世代以降向けの「勉強本」のように感じました。
自称「趣味は勉強」と言い切る小宮さんが、
社会人の私たち(職業問わず)にご自身が実際に実践されてきた事柄を、
「論理的思考力」をキーワードに丁寧に説明してくださっています。
【論理的思考力を身につけるための準備】
まず、小宮さんが本書でキーワードにしている「論理的思考力」とは一体どんな力なのでしょう。
P57~59にはこのように書かれています。
「~インプット(知識)に対してどの引き出しを開くか。その関連付けを考えるのが論理的思考である、~」
「~ほかの人が考えつかないような引き出しを開くことができるかどうかは、論理的思考力を深めることにかかっています。」
つまり、知識と論理的思考力の両輪がうまくかみ合ってこそ、
「なれる最高の自分」になれるのだと思います。
それには次の準備が大切だといっています。
それは「問題意識」と「メモ」をとること
●問題意識
知識を知恵に変えている人に共通しているのが、この「問題意識」をもち、疑問に感じたことをちょっと掘り下げようと行動している人だそうです。
この事を改めて考えてみると、私の場合、結構偏っている事に気づきます。
例えば、新聞を読んでいても、「教育」に関する事は見逃す事なく目に飛び込んできます。
ところが、恥ずかしながら経済に関わることはチンプンカンプンなので、
ざーっと見出しに目を通しても、
私の頭の中のフックにはひっかかってきません。
これではいつも同じような情報しか取り込む事はできないし、
自分の器がいつまでも大きくなる事はありませんよね。
それではどうしたらいいのか?
小宮さんは、「当たり前を疑う事」と述べています。
ここのところを読んだとき、私は、教師の間で有名な有田和正さん
「子ども達に「はてな?」を見つける力を育てることの大切さ」を思い出しました。
大人も同じように、まずは「当たり前を疑い」、はてな?と思った事をまず一歩調べる事。
それを手間を惜しまずどんな形でも紙等に残す事。
これはどこかで聞いた事がある台詞・・・。
そうです、私たち教師が普段子ども達に言っている事と同じなのです。
●メモ
なぜメモをするのでしょう。
忘れないため?
小宮さんは次のようにおっしゃっています。
メモはアウトプットの力をつけるため。
Q:ではなぜアウトプットが大切なのか?
A:それは、アウトプットしていくことで、次のステージに進むためのチャンスが得られるから。
Q:では、いいアウトプットをするにはどうしたらいいのか?
A:それには、良質のインプットを日頃からしていくこと。
以上は、本書P166からP167までに書かれている事を、
私なりにQ&Aでまとめてみました。
このような日々の積み重ねを「準備」することで、
いつか訪れるかもしれない「チャンス」を確実に結果へと結びつけることができるのですね。
【つまり「見通す力」?】
本書では、様々な例をあげながら、「論理的思考力」とはこんな力だよと教えてくれます。
では、身近な例で言ったらどんなことになるのでしょう?
私は、「見通す力」という言葉がしっくりきます。
小宮さんは、P60からご自身の体験をあげながら「論理的思考力」が身に付いていたらどんな仕事ぶりになるのか?ということを説明していらっしゃいます。
私たちの仕事で言えば、1年間を見通し、子ども達に「こんな力を身につけてほしい」というゴールを描きながら、手だてをうっていく、ということになります。
徹底してゴールまでを見通し、流れを読み、臨機応変に心配りをしながら進んで行く~
そのためには、やはり「問題意識」をもち、
調べたこと、気づいた事を「メモ」をしながら準備しつづけることがビジネスマンだけではなく、
教員も不可欠なのですね。

2010年8月9日月曜日

24時間戦うための時間の使い方?! 

『どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座』 小宮一慶著


自分のアウトプットや自分が接するあらゆるものの「質」を、少しでも高いものにしたいと願うのは私だけではないはずです。
この本は、私が勉強会などでお世話になっているホセさんがおススメされていたものです。
これまで何冊かの「時間管理術」の本は読んできたので、正直「もういいかな〜」などと感じていたのですが、小宮一慶さんがこれまで培われてきた上の中身の濃い内容で、この薄さでこの内容だとしたら、ホセさん同様私も皆さんにぜひ読んでいただきたい本だと思いました。
本書では特に、自分のアウトプットの「質」を高めるには、「時間」をどのようにコントロールしていくのかという視点で書かれています。
では、「質」を高めるにはどんな時間の使い方をしたらいいのでしょう?
その答えを探しながら本書を読みました。
【フレームワーク】
本書は、自分が今目の前に関わっている仕事のフレームワークを学ぶ事を勧めています。
例えば、
「~編集者なら、編集作業のフロートか印刷のプロセスなどを知らないといけないでしょうし、営業社員だったら、自分が営業している商品の中身について、他社と比較しての優位性と劣位性などをしっておかなければならない。~」(P91)
とあります。
ここを読んで私は、「今までフレームワークなんて意識はなかったけれど、教師の仕事のフレームワークって何だろう?」と改めて考えてみました。
おそらく、授業の展開の仕方のフレームワーク、学級経営をしていくフレームワーク、学級事務のフレームワークなどがあげられるでしょう。
教師の仕事も他の仕事と同様に、常に臨機応変さが求められる仕事です。
フレームワークをしっかりと把握した上で、さらなるブラッシュアップをしていくことが求められています。だからこと基本中の基本であるフレームワークを理解することが大切だと思いました。
【段取り】
(P117)
「~つまり、書く前に筋書きを考えておくことが非常に大事で、書く段になってから、何を書こうかなと、そんなことを考えているようでは~」
と、小宮さんはご自分のことを例にあげて書かれています。
次のアクションをスムーズに行うには、前段階で「段取り」をしておくことが結果的に「時間」を効率的に使う事ができるようになるようです。
【コツ】
第5章「時間力を高める10のちょっとしたコツ」には、
他の時間管理術に書かれているような内容ではあるものの、どれも小宮さんが実際に体を通して実践されている様子が伺われるものばかりです。
私は特に、「コツ3 自分の調子のよい時間帯をもっとも創造的な仕事にあてる いつも体調を高めておく」ことに大いに納得しました。
スポーツ選手と同様、「ここぞ!」という時にベストパフォーマンスが発揮できるように「体調を管理する」。
当たり前といえばそうなのですが、いつまでも遅くまで仕事をしているのが仕事ができる人」という考え方を改めて、次の日もベストな状態を発揮できるようにコントロールすることがある時期から必要になってくるのでしょう。
私がこのことに気づいたのは、数年前に自分の体を壊してから気づいたので、どこかでこういったことを学ぶ機会が必要だと前々から感じています。
【モチベーション】
常にハイテンションなモチベーションを保つなんて疲れてしまいます。
だからといってモチベーション下がりっぱなしもシンドイ。
小宮さんは、モチベーションがさがることは仕方のないこと、でも、その期間を短くすることはできるはずだ、とおっしゃっています。
感情の赴くままにモチベーションを上げ下げするのではなく、自分でコントロールする術を身につけたいと思います。
【教育に活かす!】
どれも子ども達に必要な力だと思います。
あえて一つあげるなら、私は【モチベーション】を活かしたいと思います。
感情のコントロールは、その人自身が身につけるもの、家庭で躾けるものとこれまで考えられてきたと思います。
私は、「学校は、何でもかんでも教える場所ではない」と考える者の一人ですが、
知識として教える側が学校ではないにしても、子ども達の成長過程のどこかの場面で、
感情のコントロールを生きる術として教えることがこれからはますます必要になってくると現場にいて痛感します。