2009年12月21日月曜日

第16回夕学五十講【届かないものを、届ける法(本を中心に)】幅 允孝ブックディレクター

幅さんと私がつながっていると感じたワケ


慶應MCC第16回「夕学五十講」
12/8 幅 允孝[ 講演名]「届かないものを、届ける法(本を中心に)」


唐突ですが、私の夢の一つに「ブックカフェ」を作るというのがあります。
そこには本、人、コーヒー、モノが集まり、ワールド・カフェのような人との交流空間があり、
つながりができ、広がっていく・・・そんなコミュニティを作ってみたいなあと思ってます。


私の中のイメージでは、その空間の主人公は人間と本。
本は人の手に取りやすいように並べられています。
そこに行けば、新しい本との出会いがある・・・
オッと~イメージの世界にいきすぎましたね。


このように本のある空間をこよなく愛する私は、
いつの間にか幅さんのやっていらっしゃることに興味をもっていました。


昨年は「情熱大陸」にも出演され、雑誌や新聞にも登場されています。


最近では、『つかう本』という本を監修されました。

何とか幅さんにお会いできる方法はないだろうか?
と密かにチャンスをねらっていた私にとって、
「届かない幅さんに、届く法?!!(^^)!」が夕学五十講受講だったのです。

【ワケ】

私は小学校の教員です。


小学校で子ども達に、学習、社会、友達、自分自身などとの
関わり方(学び方)の基礎を伝える仕事をしています。
つまり子ども達にそれらとのつながり方を、
手を替え品を替え伝えているというワケです。


では、幅さんは・・・?


お話の初めにこんな話をされていました。


「~おいしい焼き肉屋さんに行ったとき、人においしいよ~と伝えたくなりますよね。


  それと本も同じなんです。」

「~おせっかいなことだと思います。でも、それが相手にとっておせっかいなことでは


  なくなった瞬間、仕事になるんです。僕はそれをしたいと思っています。」


このお話を伺った時、


「ああ、私がしたいことと同じだ~。じゃあ、どうやっておせっかいじゃないように工夫されているんだろう?」


と思いました。


このあたりをフックにしながら、心に引っかかってきたものをご紹介します。


【おせっかいじゃないように…】

幅さんがこれまで手掛けてきたお仕事には、次のようなものがあります。


●本屋さんをつくる


TSUTAYA TOKYO ROPPONGI、BOOK246、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS


●本のコーナーをつくる


 CIBONE AOYAMA、SOUVENIR FROM TOKYO、Tokyo’s Tokyo


●本のライブラリーをつくる


 千里リハビリテーション病院、駿台予備学校、PARK LIBRARY


これらの仕事をする時に心がけていることは、

「~それぞれの場所に存在する磁場を慮り、


  その場所に最も似つかわしい本を~」


「~好きな本をただおすすめしても、おせっかいにしかならない。


  届けたい相手が両手を伸ばして届く範囲内に本を配置しなければ~」


ということだそうです。


その為に、必ずすることは「インタビュー」

相手を知り、どんな本なら手に取ってもらえるのかを
るためのインタビューです。


講座では、関わった一つ一つのお仕事についてお話がありました。

一つだけここでご紹介させていただくと・・・。


心に残ったのは、東京ミッドタウンで行われた「パークライブラリー」でのエピソードです。 






普段は立ち入ることのできない芝生に、
その期間中は入ることができるというおまけに加えて、
幅さん達がセレクトした本をバスケットに入れて
貸し出すということをされたそうです。


そのバスケットには、入れた本(数冊)のテーマが書いてあるタグを付け、
芝生にゴロンと寝っ転がって読むことができるように
ブランケットまで付けて貸し出しを始めました。


本目当てというより、ブランケット目当てのお客さんがほとんどの中、
本はブランケットを押さえる重石代わりに使われていたようです。


でも、幅さんはそれでもいいと思ったそうです。
それは、ゴロンとなって目の前に重石代わりの本があれば、
何となくパラパラとでもページをめくるだろうと・・・


私はこの話を聞いた時、この位肩の力を抜いて本をススメてもいいんだ~
ととても楽になりました。
ススメた限りは手に取ってもらいたいというのは、
ススメた側のエゴでしかないと・・・。


手に取ってもらう努力は最大限するけれど、
どうするかはあくまでも相手次第なのです。


このブランケット作戦といい、寝っ転がってパラパラでもいい作戦といい、
遊び心があっていいなあと思いました。


【教育に活かす】

●遊び心


 なかなか失敗が許されない現場ですが、
せめて子ども達には失敗大歓迎の気持ちでチャレンジさせてあげたいものです。
それには大人に遊び心がないと許容範囲は広がりませんね。

●つなぎ役 


 学習にしても本にしても、できるだけ子ども達の手の届く範囲に近付けて
興味をもたせたいと思います。


 児童文学『宝島』と漫画『ワンピース』を幅さんがつなげたように、
私も、子ども達が様々なものをつなげらたい。
そして、子ども達が自分からつながることができるように、
つながり方を伝えていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考になった点がありましたら、コメントいただけると嬉しいです。
どうぞ宜しくお願いします

2009年12月14日月曜日

『ワールド・カフェをやろう』香取一昭・大川恒 共著

ワールド・カフェをまずはとにかく体験したい!と思ったワケ

「ワールド・カフェをやろう』香取一昭・大川恒 共著













【ワケ】

友人、同僚、家族と話していて、
それまで思ってもみなかったことに気づかされたことはありませんか?

「へぇ~こんな考えもあるんだ~。」

「私ってこんな風に考えていたんだ~。」

「うわっ!これつながった!そういうことだったんだ。」

ということが私はよくあります。
これがたまらなくワクワクします。
このワクワクが偶然出会った人々と、
カフェのようなリラックスした空間でできるなんてステキです。

ぜひともワールド・カフェを体験してみたい!この本を読んでますます感じました。

【マインドマップ】











【ワールド・カフェって?】


本書には、次のように書かれています。

「~ワールド・カフェは、メンバーの組み合わせを変えながら、
 4~5人の単位の小グループで話し合いを続けることにより、
 あたかも参加者全員がはなしあっているような効果が得られる
 会話の手法です。」

「ワールド・カフェでの話し合いでは、その名が示すようにカフェのような、
 リラックスした方の凝らない雰囲気ができやすいことから、
 プロジェクトやチームの、様々な利害関係者の新しい関係づくりを進めていきたい場合~」

また、最近、ワールド・カフェが急速に普及している理由の一つとして、

「~組織の中では必ずしも必要とされていない「もう一人の自分」を表現し、
 活用できる場を求めている人が多い~」
と、ありました。
ナットク!!!
お~!!!私も重なる所があります!
同じように感じている人がいるんですね!

私の職場では、残念ながらワールド・カフェについて話題に出たことはありません。

私が初めてその存在を知ったのは、読書会に参加した時です。
参加メンバーの中に詳しい方がいて、書籍の紹介をしていただきました。

その後、マインドマップの研修で、それに似たことを体験しました。
その時感じたのは、話し合うテーマ(共通の目標)に向かって、
普段、口にはしないことを心を開いて吐き出すことができる、ということでした。

同じグループになった方も同じように話してくださるので、
短時間で打ち解けることができたようです。


本書は、このようなワールド・カフェを開催するためのノウハウが、
【事例】をたくさん挙げながら初心者にもわかりやすく書かれています。


人と話すこと、聞くことが好きな人であれば、
すぐにでも実際のワールド・カフェを体験がしたくなってきますよ!
もう少し、詳しい理論などを学びたい方は、
『ワールド・カフェ カフェ的会話が未来を創る』 
アニータ・ブラウン&デイビッド・アイザックス著
を読まれることをおススメします。















【教育に活かす!】

●問い

ワールド・カフェで大切なことの一つに、「問いを何に設定するか?」があります。

問い=テーマ

よい問いとは、その問いを自分の中に取り込んだ瞬間から、「脳がグルグルと動き始めるような問い」 
そんなイメージです。

例えば、

「職場でもっと一人一人が活躍するには、どうしたらいいのか?」


という漠然とした問いと、

「職場の同僚の得意なことを見つけよう」

という具体的な問いでは、次に起こすアクションが全く違います。
(スミマセン!私が考えた「問い」なので、ふさわしいとはいえないかもしれません・・・(;一_一))

ワールド・カフェでは、前向きで具体的な行動が浮かんでくる問いが、
欠かすことのできない要素なのです。

これは授業でも活かせます!

問い=発問の善し悪しが、子ども達を「???の渦」に巻き込むか、
「!!!の渦」に巻き込むかの分かれ道です。

教師の発問をきっかけに、子ども達がワクワクしながらその答えを探したくなる・・・
そんな「問い作り」をこれからも目指していきたいと思います。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
参考になる点、ご感想などありましたら
コメントいただけると嬉しいです。

2009年12月7日月曜日

小暮真久著『「20円」で世界をつなぐ仕事』

TFTのランチをぜひとも食べてみたい!と思ったワケ
小暮真久著『「20円」で世界をつなぐ仕事』
【マインドマップ】
【ワケ】
できることなら困っている人の役に立ちたいけれど、自分の力全てをそこには注げません。
私は私で、やらなくてはならないことがあるから・・・
でも、自分が日常やることの中に、自然に役立つ仕組みがあるなら気軽に参加することができます。
ランチを食べて、そのたった20円が確実に役立つのなら・・・
しかもそのランチがヘルシーならば自分にもナットク、おトクです!
では、詳しくご紹介します。
初めに、【社会事業】、【TFT】って何だろう?
いうところからスタートしたいと思います。
【社会事業】
●~違うのは上げた利益の使い道です。
 一般の事業では、利益は主に出資した株主に還元されます。
 対して社会事業では、利益は再び社会を変えるための活動に使われるのです。
ナントナ~くわかった気になっていましたが、
実際の所はこうだったのですね。
そうなると、そこで働く方のお給料の出所が気になります。
ボランティア?!
いえいえ、きちんと利益を生み出し、
そこからお給料をもらっていることを、
恥ずかしながら私はここで初めて知りました。
寄付をする側としては、どのくらいの割合で、
自分が寄付した金額が、困っている人の為に活かされているのか?
というところは知りたいところです。
勿論、このTFTの取り組みに不安を感じる・・・ということでありませんよ!
ただ、たくさんの募金活動の中には、
「その募金、いったいどこにいくのかな~」
と感じてしまうものもあるのです。
とにかく、【社会事業】といっても、無償奉仕で熱い思いだけでやっているのではなく、
きちんとした利益を生み出すビジネスだということがよくわかりました。
【TFT】
NPO法人「TABLE FOR TWO International」が正確な名称です。
TFTがやっていることを、ごくごく簡単に説明すると、こんな感じになります。
①社員食堂などと提携し、低カロリー、栄養バランスのとれたメニューを提供してもらう。
    ↓
②そのメニューを20円上乗せし値段設定する。
     ↓
③上乗せした20円を寄付金とし、TFTを通じてアフリカの子ども達の給食費にあてる。
チロルチョコ!(^^)!だって、もうちょっとしますよね~
その20円が、アフリカでは給食1食分になるなんて・・・驚きです。
これらの仕組みを【TFT】は作り上げました。
イチ企業ではなく、NPO法人が作っちゃった・・・こういうことができるんですね~。
TVやニュース、新聞などでは、
「NPO法人」という言葉を、耳にしない日はありませんが、
私の周り、ご近所さんではどうか?・・・というと、
正直、あまり馴染みがありません。

勝手なイメージですが、そこにいる人達はとても問題意識が高く、

行動力もあって、何だかTVやニュースの中だけにいる遠い存在の人という感じでした。
そんな遠い存在の社会事業が、一気に身近に感じる文章がありました。
読む人、今置かれている環境によっては、
「何、理想を言っているんだ!」
と腹を立てる人もいるかもしれませんが、私にはしみじみと伝わってきます。

「~「仕事というのはつらいものであり、意にそまないこともやらなければならない」と

 されてきました。(略)小さい頃の夢や希望は、その人の一生を方向づける
 「想い」の根幹を成すものであるはずです。この想いを素直にいかせる仕事こそ、
 その人にとっての天職であるはずです。~」
賛否両論分かれても、、若い人に限らず、アラサー、アラフォー、アラフィフ・・・
あらゆる人が自分に問いなおしてもいい言葉ではないかな・・・と思います。
数年前にはそれほど目立たなかった「社会事業」「社会起業」などに関する本が、
最近では、書店に行くとかなり目立った場所に置かれています。
それだけ注目を浴びているのでしょう。
本書は新しい?働き方を提案してくれる案内書です。
【教育に活かす!】
●夢を叶える
小暮さんが、一つの夢であるこのTFTを軌道にのせるまでには、
たくさんの困難なことにぶつかりました。
その困難なことを乗り越えていくのに役立ったのは、
マッキンゼー時代に培った「ロジックツリー」でした。
「~解決することなど到底できないと思われるような難題であっても、
 課題を細かく要素分解して整理することで、解決可能と思われるレベルまで
 落とし込むことができる。~」
「こうなりたい!」という夢を叶える時も、この考え方は活かせます。
夢を叶えるためには、小さなハードルを一歩一歩越えていかなくてはなりません。
でも、子ども達は、はじめはどんなハードルを用意したらいいのかもわかりません。
そこで大人の出番です。
小さなハードルの作り方も、教えてあげましょう。
この「小さなハードル」が「課題設定」なのです。
「どうせできない!」「そんなのムリ!」
と、こんな声をよく耳にしますが、
それは、解決方法=課題設定の仕方 が分からないからだと思います。
夢を叶えるためには、どんな方法があるのか・・・?
「叶え方を教える」ことも大人の役割だと思いました。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

何か参考になる点がありましたら、コメントをいただけると嬉しいです。
どうぞ宜しくお願いします!(^^)!