2010年5月22日土曜日

『決めない会議』香取一昭・大川恒著

会議でワクワクするのに必要なことは?




























【予想】

●言いたいことがはっきり言えればいい。


●「どうせ言っても意見が活かされない」ことがないようなシステムにする。

【分かったこと】

●「決めない会議」って?

会議は何かを決めるために行われるべきものなのに、「決めない会議」ってどういうこと?

この題名を見て、そう思ってしまうのは私だけではないはずです。

「決めない会議」とは、次のように本書に書かれています。

・「~これまでの会議のあり方を「決める会議」だとするならば、~「決めない会議」では、
あえて決めようとしなくても決まってしまうのです。~」(P3抜)

・「決めない会議」の目的は、急いて結論を出したり、
あらかじめ決められた結論に参加者を誘導しようとすることではありません。
~お互いの思考の背景について探求し、相互理解を深め、
集合的な気づきを得たり、アイデアを創出することにより、
参加者間の関係の質を高めることにねらいがあります。

そんな会議があるなら、ぜひとも味わってみたいですよね。
一体私達参加者が、どんなことをしたら「決めない会議」が実現するのでしょう。

●ルール

「決めない会議」には、スポーツを行うようにルールがあります。
いくつかあるルールの中で、私が印象的だったのは次の3つです。

一つ目は「断定してはいけない」です。
自分の意見を、さも「これが真実だ」のように決めつけてはいけないということです。

二つ目は「人格とアイデアは分けて考える」です。
とかく感情的に自分と違う意見を言う人に対して、
「どうして?」と感じてしまいそれを引きずってしまうことがないでしょうか。

それではその後に続く活動に、どうしてもネガティブな感情をもってしまうことになります。
そのようなことが無いように、あくまでもその場だけのことと割り切ることが大切です。

三つめは「自分の意見はひとまず保留する」です。
自分の意見を念頭に置いたまま、人の話を聞くのではなく、
とにかく相手にとことん寄り添う。そんなイメージでしょうか。

これらのルールに共通するのは、「自分のエゴを捨てる」ということだと思いました。
スポーツでいうならば、「スポーツマンシップにのっとる」でしょう。
スポーツをするならスポーツマンシップが必要なように、
会議をするなら「会議マンシップ」が必要なのですね。

●空間

人がリラックスして、自分のエゴを捨てて思いを発信できるようにするならば、
その話し合いの環境も重要になってきます。

本書では、カフェのような空間を条件にあげています。
テーブルクロス、花瓶の花・・・手作り感が人を迎えるあったかい雰囲気を作るといっています。

●安全な場

前述のルールに関わることでもありますが、
参加者が自由に発言できるように、何を言っても承認される「安全な場」が必要です。

最近私が読んできた本の中に、話し合いで活発な意見交流ができないのは、
自己規制」「相互規制」が働いてしまうからだとありました。
そんな規制が働かない「安全な場」が必要です。

【教育に活かす!】

●間違うことを恐れるのは「ルール違反」だということ。

「教室はまちがう所だ」という絵本があります。
私の大好きな本です。
担任をしているときは、4月のクラス開きで数年間読み聞かせをしていました。
今は学習室の窓際の棚に、表紙が見えるように置いてあります。

この本を読むと一瞬、子ども達の表情は変わります。

「そうだな。教室はまちがう所だな・・」
と安心するようです。

でも、授業が始まると「恥ずかしい」「間違えたくない」という感情が働くようです。
大人もそうですよね。同じです。

でも、この感情をひとまず置いておくことなしに、話し合いを心底楽しむことはできないし、
ワクワクするようなアイデアは生まれません。

確かに「ルール違反だよ」といったところで、直ぐには変化はないかもしれません。
でも、やんちゃな子達に「サッカー選手はサッカーのルールを守っているよね」というと「そうだな」と納得します。

だからそれと同じです。

スポーツを楽しむためにルールがあるように、
会議を楽しむためにもルールがあるということを子ども達に、
そして、大人達にも伝えたいと思います。

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