EQを高める事は今からでも手遅れではない!と思ったワケ
【ワケ】
●脳の働きは、人それぞれ顔が違うように、人それぞれ得意、不得意がある。
●脳の働きを制御することが、EQを高めることにつながる。
〈心の知能指数〉
ワケについて話を進める前に、「EQ」とは何かという大前提を確かめておきましょう。
本書の最初に「日本の読者のみなさんへ」という文章があります。
そこには「EQ」について次のように書かれています。
(P3抜)
「EQすなわち「心の知能指数」とは何だろう?
それは、知能テストで測定されるIQとは質の異なる頭の良さだ。」
・自分の本当の気持ちを自覚し尊重して、心から納得できる決断を下す能力。
・衝動を自制し、不安や怒りのようなストレスのもとになる感情を制御する能力。
・目標の追求に挫折したときでも楽観を捨てず、自分自身を励ます能力。
・他人の気持ちを感じ取る共感能力。
・集団の中で調和を保ち、協力しあう社会的能力。
「EQ」というと、何か特別なものと感じてしまいますが、
決してそうではないことがわかります。
私にとって馴染みのある言葉に置き換えると、「自律」に近い概念なのかなと思いました。
これまで、一人の人間が成長していくには、その人なりの適切な体験をしていく中で、
自然に身につけていくのだろうと思っていた「自律」=EQ=心の知能指数でしたが、
決してそうではないということが今回わかりました。
〈人それぞれ〉
P35には「脳の進化の歴史」として、脳の3つの部分について説明されています。
ここを読むと、今更ながら生物がもつ繊細な体内の仕組みに圧倒されます。
(P35抜)
・脳幹
脳の中で最も古い部分。
脳幹は呼吸や代謝など生命維持の基本にかかわる機能を調節し、
またあらかじめ決まっている反応や動作をコントロールしている。
・大脳辺縁系
脳幹の周囲を縁取る形状から、この脳を「大脳辺縁系」と呼ぶ。
強い願望や怒り、~恋に目がくらんでいるとき、~
行動を支配しているのは大脳辺縁系だ。
・大脳新皮質
人間の人間らしさは、この大脳新皮質に由来する。
大脳新皮質は、思考をつかさどる。
自分が抱いている感情について考えることができるのは、
大脳新皮質が備わっているから。
人間がもつ微妙な感情を、コントロールするそれぞれの働きを知ると、
人それぞれ得意、不得意があっても当然だと思えるようになります。
ちょっとしたさじ加減で、おとなしい性格になったり、
反対に怒りっぽい性格になったりするのも当り前に思えてきます。
何しろその脳の働きは、あらかじめ決まったソフトがインストールされた
コンピューターではないからです。
千差万別、大まかなつくりは似たり寄ったりでも、
誕生した後、どんな体験をするのか、どんな環境に育つのか・・・によって、
変わってくるのは当然です。
人によって、生まれつき自分の感情を抑えるのが苦手な人もいるし、
反対に感情を出すのが苦手な人がいるのも当り前だということがわかります。
〈EQを高めるには?〉
ここまで読み進めていく中で、人によってEQが高い低いがあることがわかりました。
では、低いEQを高めることはできないのでしょうか?
IQを高めるように、何か特別なことを勉強するのでしょうか?
14章「気質は変えられる」の所で、次のように書かれています。
「~臆病に生まれついた子供~適切な経験を与えられれば、過度に興奮しやすい
扁桃核を制御できるようになる。」
「~子供が成長過程でどのような情動反応を学習するかだ。」
また、赤ちゃんが面白そうなものに這い寄って行く時に、
母親の「だめよ!」の一言が重要だとあります。
つまり、「だめよ!」と母親の制止を聞いた瞬間、
赤ちゃんは軽い不安情動に対処せざるをえなくなるのです。
こうして少しずつ人生の予期せぬ出来事に、直面するリハーサルを積んでいきます。
あまりに快適な環境では、不安を感じることなく成長してしまいます。
すると、その後の不快な環境に適応するのが困難になってしまう、ということでしょう。
だからといって、大人の感情のままに子どもを不安にさせることがいいことだとは言えませんが・・・。
【教育に活かす!】
●決して子どもに遠慮することなく、良いことは良い、ダメなものはダメと伝え続ける。
●大人(自分)のEQをメタ認知する。
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